2006年04月22日

海のおっちゃんになったぼく について。

『海のおっちゃんになったぼく』、このお話が生まれて、育って、そして6月5日ころ、書店でみなさんの前に現れるまでを、書いておきたいと思います。

*『海のおっちゃんになったぼく』
作:なみかわ みさき
絵:黒井 健
発行:クレヨンハウス



2006年6月発売予定ではありますが、このお話は、14歳です。つまり14年前、1992年にはじめて、原稿用紙に書かれて、読売新聞社などが主催していた『海のメルヘン大賞』という海をテーマにした童話賞に応募したものなのです。

『海のおっちゃんになったぼく』は、泉州のことば(言い回し)で書かれています。泉州とは、大阪府の南のほうです。関西空港から南、になるでしょうか。

僕のおばあちゃんが泉州、岬町に住んでいて、子どもの頃はほとんどの夏休みや冬休みをここで過ごしました。−−お気づきの方がいるかもしれませんが、僕のペンネーム「みさき」は本名で、漢字が違うんですけれども、その「みさき」という字は、岬町からもらっています。

僕は奈良県生まれ・奈良県育ちですが、ここ岬町で聞いてきた言葉が、身体になじんでいます。奈良の言葉と混ざっている感じです。(いまは、京都での暮らしが長いので、ちょっと京都の言葉も混ざってきました。)

−−『海のおっちゃんになったぼく』は、僕にとって、とても自然な「泉州ことば」で、話しかけるように書きました。


その頃は、僕はまだパソコンを触ってなくて、父が持っていたワープロで小説を書いて、印刷して、コピーしてホチキスで綴じて売って、ということをやっていました。
童話を応募したのが締め切りぎりぎりで、コピーにいく時間が無くて(夜中に書き上げてから)ワープロに写して徹夜したような記憶があります。

しばらくのあいだ、ワープロで印刷した『海のおっちゃんになったぼく』は、高校の放送室の壁に、みんなに読んでもらえるように画びょうで留めてました。−−高校時代はいつもそんな感じで、先生に成績が悪いことを怒られながら、好きな小説やまんがを、たくさん書いていました。

1992年の冬、自宅へ1本の電話がかかってきて、そこから『海のおっちゃんになったぼく』は大きく育ち始めます。なんと、第2回『海のメルヘン大賞』を受賞したのです。授賞式とかがなかったので、実感がぜんぜんわかなかったんですけれども、新聞の1面に大賞受賞作として発表して頂いたり、審査員であった椎名誠さんの評がとてもうれしかったことを覚えています。


『海のおっちゃんになったぼく』は、僕の人生も、すこし変えてしまいました。僕は、いわゆる特技推薦(一芸入試)で大学に合格してしまったのです。その特技とは、創作をすること。そして、代表作は、『海のおっちゃんになったぼく』でした。

また、大学在学中に、いくつかのクリエイター・オーディションを受けましたが、やっぱりこの作品の威力は大きかったです。たくさんの人に出会うことができ、インターネットで(ある方や企業さんのホームページで)童話を書く仕事も数件引き受けました。

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絵を描いてくださった黒井健さんは、絵本が好きな人に知らない人はいないほど、有名な人だと思います。『海のおっちゃんになったぼく』は、すくすくと育っていました。『海のメルヘン大賞』の後から、椎名誠さんが絵本化をすすめてくださっていて、ついにクレヨンハウスさんで、ということになりました。これが1995年のことです。当時、『音楽広場』という月刊誌があり、そこの綴じ込み絵本として発表されました。(現在『音楽広場』は『月刊クーヨン』となっています。)

僕はその雑誌が本屋にあるのを見て、ほんとうに夢みたいだなと、自分の名前が載った雑誌をしみじみと見つめていました。

就職活動では、テレビゲームのクリエイターをやりたいと思って、いろいろ当たっていましたが、ご縁がなく、ある大学の教務のお仕事をすることになりました。(ちなみにパソコンはこのころはだいぶん使えるようになっていました。)



2005年の12月。僕は転職をして5年ほどすぎていて、あいかわらずマイペースでものを書いて、おもにネット上で発表していました。ホームページにメールを送れるようにプログラムを置いているんですが、そこから、クレヨンハウスさんから1通のメールが届いたのです。単行本化のお話でした。

2006年、今年に入ってから、”『海のおっちゃんになったぼく』を、2006年に出版する”ことをじっと考えながら、全体の見直しをはじめました。たしかにあの時、17歳の自分が生み出したものもすごかったけれども、ことし、30歳の僕が手がけるそれも、すごいものにしたい。そう思って、14年くらいの時間の差を行ったり来たりしながら、言葉を磨き上げていきました。

そしてもうすぐ、『海のおっちゃんになったぼく』はもういちど、でも新しく、みなさんの前に登場します。




ここまで来るためには、何よりも、椎名誠さんや、クレヨンハウスのみなさん、黒井健さん、読売新聞社さん、そして僕がものを書くことをゆるしてくれた周りのみなさんのちからがなければ、絶対に無理だったと思います。この場を借りて、なんてありきたりな言葉
は使いたくないんですが、でも本当に、ありがとうございます。これからも、書くことをあきらめずに書き続けていきたい(生きたい)です。どうぞ、よろしくお願いします。

また、これから『海のおっちゃんになったぼく』に出会うみなさんへ。このブログなどで、僕の他の作品や、僕の側面を知っていただければと思います。これからも、よろしくお願いします。

タグ:2006 1992 1995
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